磁石・サニタリーに関する用語集
サニタリー
「衛生的な」という意味で、特に配管関係等に用いられています。サニタリー規格という規格はなく、JISでは、JIS-G-3447にステンレス鋼サニタリー管として規格化されています。 継ぎ手類は、IDF/ISO規格を基本としているものが多いようです。表面が滑らかで凹凸がなく、継ぎ手類は分解清掃が容易なものとして理解してもらえれば良いと思います。 食物の溜りによる腐敗・異臭を防ぐためのもので、食品・トイレ・ガス等の配管に用いられています。表面はバフ研磨仕上げが施され鏡面のように仕上げられているのが普通です。
HACCP
HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)は1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品品質管理手法です。 これが米国の法規制ツールとして採用されたことを機に、欧州や日本でもその手法が評価され、また、国の積極的な導入支援施策であり、現在では多くの先進的な食品企業が採用しています。
HACCPの特長
HACCP以前の検査手法では、できあがった最終製品の一部を検査することで安全性を確認していましたが、HACCPでは食品材料の入荷から製造・出荷にいたる生産工程に対して、 あらかじめ予想される微生物的・化学的・物理的危害を分析(Hazard Analysis)し、その結果に基づき危害防止のための重要管理点(Critical Control Point)を設定する。 ここで定めた重要管理点を集中的に管理することによって食品の安全を確保するシステムです。
ISO22000
この企画は、一言で言うと「ISO9001とHACCPの合体規格」です。ISO9001は、顧客満足を向上させる為の組織としてシステム管理についてまとめられており、 経営管理のツールとしては非常に有効なものです。一方、HACCPは食品の安全確保のための製造工程の管理に特化した規格です。 ISO22000は、この二つの規格をうまく組み合わせる事で相互に補完しあうような作りになっており、ISO9001だけ、またはHACCPだけに取り組むよりも、より有効性のあるシステムを構築することができます。 適用される範囲も、ISO22000は一時生産者、製造、加工、小売・流通、輸送、設備、貯蔵など食品にかかわるすべてに適用できるものになっています。
FSSC22000
FSSC22000とは、「Food(食品) Safety(安全) System(システム) Certification(認証) 22000」の略であり、FSSC22000財団によって開発された食品安全のためのシステム規格です。FSSC22000はISO22000という別規格をベースにしつつ、PRP(前提条件プログラム)の技術仕様書である「ISO/TS22002-1またはISO/TS22002-4」及び「FSSC独自の追加要求事項」が統合されています。つまりISO22000よりもさらに厳しいプログラムが設定されており、より高いレベルの食品管理が求められる規格です。
サニタリー継手(IDF/ISO)
呼び径 | D(mm) | A(mm) | B(mm) | C(mm) |
---|---|---|---|---|
1.0S | 25.4 | 50.5 | 43.5 | 23 |
1.25S | 31.8 | 50.5 | 43.5 | 29.4 |
1.5S | 38.1 | 50.5 | 43.5 | 35.7 |
2.0S | 50.8 | 64 | 56.5 | 47.8 |
2.5S | 63.5 | 77.5 | 70.5 | 59.5 |
3.0S | 76.3 | 91 | 83.5 | 72.3 |
3.5S | 89.1 | 106 | 97 | 85.1 |
4.0S | 101 | 119 | 110 | 97.6 |
4.5S | 114 | 130 | 122 | 108 |
5.5S | 140 | 155 | 146 | 134 |
6.5S | 165 | 183 | 174 | 159 |
サニタリーパイプ(JIS-G3447)
呼び径 | 外径 (mm) | 内径 (mm) | 肉厚 (mm) | 管重量 (kg/m) |
---|---|---|---|---|
8A 1/4B | 13.8 | 10.5 | 1.65 | 0.4999 |
10A 3/8B | 17.3 | 14.0 | 1.65 | 0.463 |
15A 1/2B | 21.7 | 17.5 | 2.1 | 1.03 |
1.0S | 25.4 | 23.0 | 1.2 | 0.723 |
1.25S | 31.8 | 29.4 | 1.2 | 0.915 |
1.5S | 38.1 | 35.7 | 1.2 | 1.10 |
2.0S | 50.8 | 47.8 | 1.5 | 1.84 |
2.5S | 63.5 | 59.5 | 2.0 | 3.06 |
3.0S | 76.3 | 72.3 | 2.0 | 3.70 |
3.5S | 89.1 | 85.1 | 2.0 | 4.34 |
4.0S | 101.6 | 97.6 | 2.0 | 4.96 |
4.5S | 114.3 | 108.3 | 3.0 | 8.32 |
5.5S | 139.8 | 133.8 | 3.0 | 10.2 |
6.5S | 165.2 | 159.2 | 3.0 | 12.1 |
200A 8B | 216.3 | 208.3 | 4.0 | 21.2 |
JIS G 3447
:ステンレス鋼サニタリー管
JIS G 3459
:配管用ステンレス鋼鋼管
IDF :国際酪農連盟
3A :米国サニタリー規格
ISO :国際標準化機構
DIN :ドイツ規格協会規格
材料
ステンレス鋼
鉄にクロム11%以上を含ませ表現に不働態皮膜(酸化皮膜)を作ることで耐食性を向上させた錆にくい鋼です。
SUS304: もっとも一般的に使用されているステンレス鋼で家庭用品から原子力まで幅広くつかわれています。
耐食性に優れ、延性にに富み、深絞り、曲げ加工に適しています。
例えば食品設備や一般化学設備、建築材料、製紙工業、車両工業、厨房器具などです。
SUS316: 304より海水をはじめ各種中性塩(NaCl・K2S04等)環境で優れた耐食性を発揮し耐孔食性にも優れてます。
油化学工業、染色工業、繊維工業、食品工業などに使われています。
SUS316L: SUS316より低炭素鋼にし、さらに耐食性、耐孔食性を向上しました。
また、金属イオン溶出が少が少ない。
熔接後の固溶加熱処理が困難なものに適しています。
主に、製薬、半導体向けに使用されます。
表面処理
バフ研磨
一般的には寸法精度を目的とするのではなく、主として平滑面、光沢面、つや消し面を得る為に行われます。麻や綿布などの柔軟性材料に研磨剤を塗布した高速回転体(バフ)による金属などの表面を機械的に加工する方法です。
1)研磨剤: アルミナ、酸化クロム、酸化鉄、トリポリなどを油脂膜と溶融し棒状に固めたものを使用します。
2)研磨グレード
#240 :光沢など気にしない程度の研磨に使われます。
#320 :一般的標準バフ研磨です。B4仕上げとほぼ同等レベルの仕上げになります。
#400 :B4仕上げよりさらに光沢をあげる事を目的とします。
電解研磨
電解液中で金属表面より金属イオンを溶出させることによる表面の平滑化を目的とした研磨方法で非常に綺麗な仕上げとなります。またバフ研磨が出来ない部品るいなどの研磨にも使用します。表面からコンタミの回避や耐食性を求める製薬、半導体メーカーでは電解研磨が必須となっているようです。
特長
1)洗浄効果
通常の洗浄方法では難しいバフ粉、油などの異物を取り除くことができます。機械研磨やバフ研磨面は綺麗に見えても細かいキズの集合でありこれらのキズに埋め込まれた油やバフ粉等の異物は洗浄などでは除去できません。
2)洗浄性の向上
非常に滑らかな表面を持つ為、汚れ等の物質が沈着しずらく洗浄が容易になります。同様にもらい錆びもできにくくなります。
3)耐食性の向上
ステンレスの場合、鉄イオンが先に溶け出す事で金属表面のクロム濃度があがりより強固な不働体皮膜が形成されます。ステンレスが錆びにくいのはステンレスに含まれるクロムが酸化され不働体化されている為と考えられています。
4)表面からのイオンの溶出がほとんどありません。
不働体化された金属表面からは鉄などの金属イオンが溶出しずらくなっています。
パッキン材
パッキン材選定
一般名称 | 略号 | 商品名 | 特性 |
---|---|---|---|
シリコーンゴム | Q | シリコーンゴム | 硬度の耐熱性と耐寒性の広範囲に亘り特性を持つ |
フッ素ゴム | FKM | バイトン | 最も高い耐熱性と耐薬品性を持つ |
クロロプレンゴム | CR | ネオプレン | 耐候性、耐オゾン性、耐熱性、耐薬品性など平均した性質を持つ |
ニトリルブタジエンゴム | NBR | NBR | 耐油性、耐摩耗性、耐老化性が良い |
エチレン・プロピレンゴム | EPM/EPDM | EPT | 耐老化性、耐オゾン性が良い |
四フッ化エチレン樹脂 | PTFE | テフロン | 非粘着性、非濡性、耐熱性、低摩耗係数、耐薬品性等の優れた特性を持つ |
特性一覧表
◎優 ○良 □可 △劣 ✖不
シリコーンゴム Q | フッ素ゴム FKM | クロロプレンゴム CR | NBR | EPDM | テフロン PTFE | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
物 理的性質 | 耐摩耗性 | ✖~□ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
耐熱性℃ | 208 | 300 | 130 | 130 | 150 | 288 | |
耐寒性℃ | -70~-120 | -10~-50 | -35~-55 | -10~-30 | -40~-60 | -100 | |
耐老化性 | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | 影響なし | |
耐光性 | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | 影響なし | |
耐オゾン性 | ◎ | ◎ | ○ | ✖ | ◎ | 影響なし | |
耐炎性 | △~○ | ◎ | ○ | ✖~△ | ✖ | 燃えない | |
耐ガス透過率 | □ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
耐 油性 | ガソリン・軽油 | △ | ◎ | ○ | ◎ | ✖ | ◎ |
ベンゼン ・トルエン | △ | ◎ | ✖ | △ | ✖ | ◎ | |
動植物油 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | □ | ◎ | |
ジエステル系 潤滑油 | □ | ○ | ✖ | ✖ | ○ | ◎ | |
燐酸塩素系 圧力作動油 | △ | △ | △ | ✖ | ◎ | ◎ | |
耐 溶剤性 | トリクレン | ○ | ◎ | ✖ | △ | ✖ | ◎ |
メチルアルコール | ○ | △ | ○ | □ | ◎ | ◎ | |
メチルエチルケトン | ○ | ✖ | △ | ✖ | ◎ | ◎ | |
酢酸エチル | ○ | ✖ | △ | ✖ | ○ | ◎ | |
エーテル | ✖ | ✖ | ✖ | □ | □ | ◎ | |
耐 薬品性 | 水 100℃ | ○ | ◎ | □ | □ | ◎ | ◎ |
有機酸 | ○ | ✖ | ✖~△ | ✖~△ | ✖ | ◎ | |
強酸 | △ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |
弱酸 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | |
強アルカリ | ◎ | ✖ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | |
弱アルカリ | ◎ | △ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |